第84回センバツ高校野球 が開幕した。
この春は、愛媛からの出場校が無いこともあって、何となく話題になってないような雰囲気さえあった。
が。
あの、抽選で選手宣誓を引き当てた時の どよめきが、
再び起きたような、今日の開会式の選手宣誓。
全国ニュースで観て、泣いた。
生まれた時から、野球が大好きなお父さんかお母さんだったんだろう、
「しょうと」という名前もとてもインパクトがあって
一度 聞いて 直ぐに覚えた。
21世紀枠で出場した、石巻工(宮城)。
東日本大震災後、約40日間、グラウンドが使えなかった彼ら。
選手宣誓が決まってから、
宣誓の文章はチームみんなで、ホワイトボードに言葉を書きだして考えたそうだ。
阿部翔人主将の、2分を越える選手宣誓、
真っすぐ前を見据えて、力強く誓う彼の言葉のチカラに圧倒された。
中でも、「大きな幸せ」というフレーズがとても印象的だった。
被災地で大変な想いをしている彼らがセレクトした言葉。
前を向いて、しっかりと地に足付けて歩んでいる・・・凄くエネルギーをもらえる宣誓だった。
石巻工業は、明日木曜日 14時~鹿児島県 神村(かみむら)学園と対戦する。
記憶に残る、幸せな時間を甲子園で満喫してほしいと心からエールを送る。
<選手宣誓全文>
東日本大震災から1年。
日本は復興の真っ最中です。
被災された方々の中で苦しくて心の整理のつかない方、
今も当時のことや亡くなられた方を忘れられず悲しみに暮れている方々がたくさんいます。
人は誰でも答えのない悲しみを受け入れることは苦しくて辛いことです。
しかし日本がひとつになり、この苦難を乗り越えることができれば、
その先に大きな幸せが待っていると信じています。
だからこそ、日本中に届けます。
感動、勇気、そして笑顔。
見せましょう、日本の底力、絆を。
われわれ高校球児にできること。
それは全力で戦い抜き、最後まであきらめないことです。
今、野球ができることに感謝し、全身全霊で正々堂々とプレーすることを誓います。
平成24年3月21日 選手代表 宮城県 石巻工業高校 野球部 主将 阿部翔人