応答せよ

生放送直前。
突然、その訃報は飛び込んできた。
以前、「俳句は地球を救う」と言ってた、草心さんが 2月23日、旅立っていった。

まだ65歳という若さだった。
昨年7月。ずっと温め続けていた「夏井いつきの一句一遊」特別番組に、
あえて 出演をお願いしたことを思い出す。
病と闘っておられた、余命宣告をされていたけれど、彼に、どうしても番組に出てもらいたかった。
イキイキと俳句のある人生を歩いておられる肉声を
どうしても留めておきたかった。
駄目もとでお願いしてみたら、意外にあっさり「ええよ」と言ってもらって ご自宅に。
しとしとと雨が降り始めた午後、家の外まで出て来て迎えてくださった。
なんとも ひょうひょうと、
そして俳句を「生きる杖」として、しっかり歩んでいらっしゃる様が
胸にずんずん突き刺さってきた。
取材中に、さらさらと俳句を詠み始めたり、
お手製の俳句制作室(ベランダ)を披露してくれたり、
俳句甲子園への想いを語ってくださったり(カンパBOXの生みの親)。
草心さんにとって俳句とは?と伺ったら
「別に今から俳句で本出して売れようとか、そんなん考えてるわけじゃないし
 大いに俳句を楽しんでほしい。楽しい俳句。それが一番じゃないですか」
彼のインタビューを終えた時、私の頭に流れてきたのが
♪ カンサス「全ては風のなかに」だった。
もちろん、特番でも、草心さんの声の後、この曲をオンエアした。
彼の訃報を伝える一枚のハガキには、
故人の希望で近親者のみで葬儀を済ませたこと、
香典・供花・供物は受け取らないこと、
そして、
「皆様がさわやかな風を感じられた時、僕が挨拶に来たと思ってください」
と書かれてあった。
子どもたちを寝かしつけてから、改めてハガキを読み直す。
そして改めて去年放送した 「一句一遊 10周年記念特番」を聞き直す。
草心さんの声を聴きながら、
彼に取材の帰りに頂いた、スパークリングワインの栓を抜く。
溢れる涙が口の中に入ってしょっぱい。
スパークリングワインを一口。
「めんどいおばさん(夏井いつきさんのラジオを聴いた第一印象)」の声を
ラジオで聞いたことがきっかけで
俳句の世界に入ってきてくれた10年前。
それから、嫁さんと俳句三昧。俳句甲子園実行委員会でも熱心に活動してくれた。
体調をみて句会にも顔をだしてくれた。
私に子どもが生まれた時、とても喜んでくれて母子手帳カバーを下さった。
(今も愛用しています)
あなたがラジオを聴いてくれていたおかげで
出会うことができました。
ありがとうございました。
俳句に関わっている時に風が吹けば、草心さんがそばに居てくれていると
そう思っていますね。
合掌
応答せよこちら大根応答せよ   草心
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コメント

  1. ニュー・ケムマキくん より:

    65歳という若さで旅立たれたこと、ご冥福をお祈りいたします。
    でも数々の俳句を残されて旅立たれた。
    これはとても幸せだったのかも。。。
    自分の生きた足跡を残すことが人は必要だと日々思う。
    人が人を生み育てることに似ている。
    人は死すとも文字は残るし語り継がれる。
    でもその文字を生み作り出したのは「人」。
    語り継ぐのも人、ラジオにのせて伝えるのも人。
    文字が生きれば人も生きる!人が生きれば文字も生きる!
    これからもラジオと俳句と人ともに。。。

  2. 93kgのプッコラ より:

    丁度、去年の春!
    東日本大震災の後、周りの自粛ムードで開催を悩んでも開かれた、今冶美須賀中学校での句会ライヴを思い出します・・・
    決勝で、僕は”草心さんの写真の句”に投票・手を挙げました・・・
    この旅立ち!
    誠に悲しい知らせです・・・ あまりにも若すぎる・・・
     

  3. ラジオマン より:

    ラジオの出会いだけが、真実。・・・・メディアに35年いる僕の信条です。

  4. スルトラマン より:

    素敵な人に出逢えたっていうのは、人生の宝物だと思います

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