ネパールから贈り物が届いた。
クラーク記念ヒマラヤ小学校からだ。
「貧困層の子ども達に教育を」と、
冒険家の三浦雄一郎さんと松山出身の鍼灸師 吉岡大祐さんが
中心となって、一緒に立ち上げた学校だ。
その子ども達が育てたケナフで、卒業生が色づけをして完成した
手作りカレンダー。
とても鮮やかな色と、優しい手触り、そしてプンとインクの匂い。
あのはじけるような子ども達の笑顔が頭に浮かぶ。
吉岡大祐さんは、私とほぼ同じ年。
高校卒業後、渡米する前になにげなく訪れたネパールで
子ども達と出会い、それからネパールに住んでいる。
そのアクティブさというか、琴線の触れたほうに正直に進む勇気というか。
全てを包み込んでしまうような空気を持っているのだ。
子ども達は、まず学校で「身体を清潔にすること」を学ぶ。
シャンプーをして石けんで身体を洗う。
それすら家で満足に指導できない程の貧困層。
帰宅後は片道1時間以上かけて、家で使う水汲みの仕事。
そして・・・はじける笑顔。
我々が当たり前だと思っている事は、決して当たり前でないのだ。
マルブンの真鍋明さんから教えてもらったことを思い出した。
水谷工業は、新入社員研修の中で
これまで親に入社まで育ててもらったことにかかる費用を各自に計算させるらしい。
高卒の人で、約1700万円。大卒の人で、約2300万円。
「あなたをこれまで育てるのにかかった費用を、
これからの給与で支払うと何年かかるか計算してください」
実際に計算すると、支払うだけで何十年とかかることになる。
「この金額は親からもらった恩です。
あなたたちがこれからかえすのはお金ではなく、
仕事を通して社会に貢献できる立派な大人になることです。」
親からもらった恩に報いる。
親以外の人からいただいた恩に報いる。
自分ひとりでここまで歩いて来てるわけでは、到底無いわけだ。
「役に立つ人間になれ」
その意味を噛み締めつつ、
2014年はケナフカレンダーをめくることにしよう。
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