23年続くルーティン。
夏井いつきさんと家藤正人クンとスタジオに籠る。
沢山のリスナー俳人さんからの投句とお手紙に笑ったり涙したり。
この年末に突然飛び込んできた訃報に今日もまた涙した。
俳号 緑の手さん。全盲のリスナー俳人であり
向日葵のような明るい笑い声と、点字タイプを打つゴトゴトという音。
夏井いつきの一句一遊10周年記念番組を制作した13年前。
そのきっかけをくれたのが、他でもない「緑の手」さんだった。
その「ゴトゴト」のことを夏井さんが何気なく番組で喋った時に
ガラスのこちら側で「あ、これ番組になる」と直感で思った。
雨の日の取材日。
ケラケラと笑う緑の手さんの自宅でいろんな話をきいて
カルチャースクールに通うまでの道中も録音機材を持って追いかけた。
彼女の声を、耳の鼓膜が覚えている。
きっと今頃あちらで高らかに笑いながら
いろんなものを興味津々で観ているに違いない。
彼女の密着インタビューの後、ポンと曲が入る構成だった特番。
選んだのは、ジョンデンバー「緑の風のアニー」
優しいジョンデンバーの歌声が
緑の手さんを包み込むようなイメージで選曲したことを覚えている。
白杖をついて、アクティブで、五感が研ぎ澄まされていて
老若男女に愛されていて、ご夫婦そろって人望があって・・・
「いつきさんの句集を抱きしめているんです」と笑ってた緑の手さん。
心から手を合わせます。
23年もやっていると
いろんなリスナー俳人をみんなで見送っている。
その度におたよりや追悼句が続々と寄せられる。
カタチがないけど音しかないけど
こんなにみんなが繋がっていて悼んでいて
それを共感と共に共有することも
大切な供養のカタチだと本当に思う。
ラジオがそちらの世界まで聴こえていますように。
一句一遊の歴史はこれをご覧いただければ・・・3年前の動画です。
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